ご存じでしょうか? HIV エイズは症状によっては障害年金の対象になります。

こんにちは、
福田社会保険労務士事務所です。

今朝の名古屋は雨が少し降ったようで、私の車の窓ガラスが濡れていましたね〜
最近洗車をしていないのでこの機会に、窓ガラスだけぞうきんできれいにしてみました!
年末までには、洗車してみたいですね〜(でも、寒いから・・・)

さて、
本日はHIVエイズ感染症での障害年金の現状をお伝えしたいと思います。

(これは、架空の話です)
ある、晴れた休日の午後AさんとBさんが楽しそうにお散歩をしているようです。

Aさん 
そういえばB君が突然入院してエイズ発症ってわかって、もう1年だよね。
退院して、けっこう元気にしているけれど、エイズ発症とかしちゃったんだから、
毎日薬とか飲んでるんでしょ? 病院代とかどうしてんの?
B君が持っているその障害者手帳エイズに関係あるの?

Bさん
そうだよ。じゃ、せっかくだから、僕らHIV陽性者が利用している福祉制度のこととか話そうか。
あそこのベンチ行こ。

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Bさん
病院に行ったら、健康保険証があれば、だれでも医療費って3割負担なんだけど、それは知ってるよね。

もし風邪を引いて近所のお医者に行って、診察して、注射打って、薬もらって、その費用が1万円だったとしても、
窓口で払うお金は3割だから3千円。残りは健康保険が払うんだよ。

Aさん
そうだよね!会社の健康保険や共済組合、会社じゃない人は国民健康保険が負担してくれる。

Bさん
HIV感染症という病気だって、病院にかかれば健康保険で3割負担なのは同じなんだよ。
感染していることがわかっただけで、とくにまだ薬を飲むほどでもない、定期的に検査をしているだけの人なんかは、
診察代や検査代ぐらいなんで、その医療費の3割を払っている人が多いよ。

Aさん
へーえ。HIVに感染したらものすごくお金がかかるのかと思ってた。

Bさん
それは病気の状態が進んだり、僕みたいにエイズ発症でわかって、薬を飲むようになってからの場合なんだ。
定期的な服薬でウイルスが増えるのを抑えるのが、この病気の治療の中心なんだけど、だいたい3種類の薬をを飲んでいるんだ。
すると、その費用はひと月に約20万円ぐらいかかるんだ。しかも、糖尿病や血圧の薬みたいに、
ずっと飲みつづけないといけない。

Aさん
えっ、毎月20万円!!、しかもず〜っと??

Bさん
それの3割っていったら6万円で、それを毎月払うことって難しいよね?
それで現在、HIV感染者は障害者(内部疾患)に認定されていて、障害者手帳が出るんだよ。
エイズを発症したと診断されたり、定期的な血液検査での数値が基準を満たしたら、
主治医の診断書などを添えて、自分の住んでいる市区町村に障害者手帳の申請ができるんだ。

Aさん
障害者認定がされると、どんなことがあるの?

Bさん
まず障害者自立支援法という法律によって、医療費の助成が受けられるよ。
それから、おなじく国の制度だと、所得税の申告をするとき障害者手帳があると障害者控除が受けられて、
年額で2万円ぐらい税金が安くなるので、会社で年末調整のときに障害者だということがわかってもいいなら
それを利用する人もいるね。また、地方自治体の制度だと、障害者への医療費助成制度を設けて、
HIV感染症以外の病気の受診についても医療費負担が安くなる自治体がある。そのほか障害の等級によって福祉手当が出たり、
タクシー券や公共交通の無料パスが出たり、博物館や体育館・プールなどの公共施設が無料になったり、自治体ごとにいろいろなサービスが用意されているようだから、自治体発行の福祉の手引きなどでよく確認することだね。

Aさん
障害年金というのを聞いたことがあるんだけど?

Bさん
うん、
障害年金制度は障害者手帳とはべつで、国民年金や厚生年金による制度なんだ。
年金って、65歳以上になってもらう「老齢年金」だけじゃなくて、それまでにも交通事故とか病気で
障害者になって収入が得られなくなったときに支給される「障害年金」という制度もあるんだ。

HIV感染症が進んで働くことができなくなったときとか、発症の予後があまりよくなくて障害が残ったりで
支給されている人もいるね。
将来、障害年金をもらうためには、その病気の初診日に年金に入っていて、その前々月までの1年間に保険料の
滞納がないか、または保険料納付期間の3分の2以上納めていることが必要なんだ。


・・・
上記のAさんとBさんの会話は架空のお話ですが
HIV感染症でも、障害年金を請求することはできます。
HIVには多額の医療費が掛かりますし、その治療のために
日常生活や労働にとても大きな支障が出ることもあります。

障害年金
国民の生活を保障する制度なのですから、その権利がある方は
当然使われることをご検討されるようお勧めいたします。

それでは
失礼致します。